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このツールについて
疾患別リハビリ算定日数ツールは、医療保険における疾患別リハビリテーションの算定上限日数と、13単位制限が開始される日付を自動で計算するツールです。発症日または手術日を入力するだけで、今日時点の残り日数をすぐに確認できます。複数患者の一括管理にも対応しています。
使い方
- 「患者を追加」ボタンで入力欄を追加します
- 疾患区分を選択します(脳血管・運動器・心大血管・廃用・呼吸器)
- 発症日または手術日、もしくはリハビリ開始日を入力します
- 「計算する」ボタンを押すと結果が表示されます
疾患別リハビリテーション算定日数上限
医療保険における疾患別リハビリテーションには、それぞれ算定できる日数の上限(標準的算定日数)が定められています。上限日数を超えると、原則として通常の疾患別リハビリテーションは算定できなくなります。ただし、除外対象患者(難病患者・障害児者・回復期リハビリテーション病棟入院料算定患者・高次脳機能障害等)に該当し、治療の継続により状態の改善が期待できると医学的に判断される場合は、通常の点数のまま算定を継続できます。除外対象に該当しない場合でも、医学的に改善が見込めると判断されるときは、1か月あたり13単位まで算定を継続できます(告示上の表現は「1月13単位に限り算定できる」であり、「1日あたり13単位」ではありません)。
脳血管疾患等・運動器リハビリテーションは「発症・手術・急性増悪の日」(不明確な場合は最初に診断された日)が起算日です。心大血管疾患・呼吸器リハビリテーションは「治療開始日」が起算日、廃用症候群リハビリテーションは「診断または急性増悪の日」が起算日です。同じ150日でも運動器と心大血管では起算日の基準が異なるなど、疾患ごとの違いに注意してください。
一番現場が割れるのは、起算日の解釈違い
算定日数の計算で最も現場が割れやすいのが、起算日(カウント開始日)の考え方です。返戻(請求差し戻し)の原因としても上位に入ります。
まず区別しておきたいのが、算定日数上限(脳血管180日・運動器150日・心大血管150日・廃用120日・呼吸器90日)の起算日と、早期リハ加算・初期加算の起算日は別物だという点です。算定日数上限の起算日は、発症日・手術日・急性増悪日・最初に診断された日のうち最も早い日です。一方、早期リハ加算の起算日は、2026年改定で発症等基準から入院日基準に変更されました。この2つを同じ日付で管理しようとすると、超過算定や算定漏れにつながります。
現場でよく起きるのが、以下のようなケースです。
- 手術当日を0日目とするか1日目とするかで日数がずれる
- 転院患者の起算日を自院の入院日にしてしまう(早期リハ加算は前医の入院日が起算日)
- 複数の疾患が重複する場合(脳梗塞+肺炎など)に、疾患ごとに別管理すべきところを1つの起算日でまとめてしまう
- 急性増悪による起算日のリセットの可否で、医師の判断が分かれる
通知・疑義解釈の文言が「発症等」のように幅を持たせた表現になっていることも、解釈が割れる一因です。医師・PT/OT・事務それぞれの認識をすり合わせ、疾患ごと・加算ごとに起算日を別管理する運用ルールを、院内で明文化しておくことが実務上の予防策になります。
同じ発症日でも、起算日の見え方は違う
算定日数は発症日だけを見ると同じに見えても、転院の有無によって起算日の数え方はまったく異なります。
| 項目 | Aさん(発症後すぐ自院入院) | Bさん(前院で3日間治療後に転院) |
|---|---|---|
| 発症日 | 4月1日 | 4月1日 |
| 自院入院日 | 4月1日 | 4月4日 |
| 算定日数上限の起算日 | 4月1日(発症日) | 4月1日(発症日。転院でも変わらない) |
| 早期リハ加算の起算日 | 4月1日(自院入院日=発症日と同じ) | 4月1日(前院の入院日) |
| 早期リハ加算の算定期限(14日目) | 4月14日 | 4月14日 |
| 自院入院時点での早期リハ加算の残り日数 | まだ14日残っている | 残り11日(前院分の3日を消化済み) |
発症日が同じでも、Bさんのように転院を挟むと、早期リハ加算の起算日は自院の入院日ではなく前院の入院日になります。「自院に来た日から14日」と誤解してしまうと、実際の期限より遅く数えてしまい、知らないうちに早期リハ加算の算定期間を超過する危険があります。
「日数がまだある」で安心してはいけない
算定日数の計算で見落としやすいのが、起算日の「二重管理」です。早期リハ加算・初期加算・標準的算定日数では、それぞれ起算日が異なります。
早期リハ加算は入院日(転院時は前医の入院日)、標準的算定日数は発症・手術・急性増悪・診断日のうち最も早い日が起算日です。これらを1つのカレンダーで管理しようとすると、算定漏れや超過算定につながります。
もう一つ重要なのが、標準的算定日数を超えた後の記録です。日数を超えても、医師が治療継続によって改善が見込めると判断すれば、所定点数での算定を続けられますが、この判断は診療録に具体的な根拠(FIMの改善見込みなど)とともに記載しておく必要があります。曖昧な記載は個別指導で指摘されやすいポイントです。
書類面では、リハビリテーション実施計画書は開始後原則7日以内、遅くとも14日以内に作成する必要があります。2026年改定で患者の署名は不要になりましたが、その分、説明した日付・説明者を診療録に記載することが要件として明確になりました。「署名がいらなくなった」で終わらせず、記録の残し方を院内で統一しておくことが実務上の予防策になります。
算定を支えているのは、日々の記録
算定日数の管理というと、事務や医師の仕事だと捉えられがちですが、実際に算定の根拠を作っているのはPT・OTの日々の記録です。
特に見落とされやすいのが、1単位ごとの離床有無の記録です。離床を伴わない他動的訓練が中心の場合は減算・単位制限の対象になりますが、同じ患者の同じ日でも、1単位目はベッド上、2単位目以降は離床、というように状況が混在することがあります。患者単位ではなく単位ごとに、離床の有無と実施内容を記録しておくことが必要です。
また、標準的算定日数を超えて継続する場合の判断も、PT・OTが日々の評価で拾った変化(座位保持時間の延長、移乗介助量の減少など)が、医師の継続判断の材料になります。抽象的な所見で終わらせず、具体的な変化を記録に残すことが、算定の根拠そのものを支えることにつながります。
日数だけ見て安心するな。記録が命綱そのものだ。
PT・OTの記録と臨床判断は、算定日数の「命綱」そのものです。FIM測定・単位ごとの離床記録・計画書の説明・超過時の根拠——これらを怠ると、日数上は問題なくても算定不可や返戻につながります。
「良いリハを提供する」ことと「それを証明する記録を残す」ことは、切り離せません。これが現場で一番見落とされやすい本質です。
※本記事は臨床経験と公開資料をもとに作成しています。評価・運用は最新の通知や所属施設のルールをご確認ください。
よくある質問
Q. 発症日とリハビリ開始日のどちらを入力すればよいですか?
A. 原則として発症日・手術日を入力してください。発症日が不明な場合はリハビリ開始日での目安計算も可能です。両方入力した場合は発症日が優先されます。
Q. 算定日数を超えたらリハビリはできなくなりますか?
A. リハビリ自体は継続できます。除外対象患者(難病患者・障害児者・回復期リハビリテーション病棟入院料算定患者・高次脳機能障害等)に該当し、治療の継続で状態の改善が期待できると医学的に判断される場合は、通常の点数のまま算定を継続できます。除外対象に該当しない場合は、医学的に改善が見込めると判断されるときに限り、1か月あたり13単位までの算定に制限されます。
Q. 入力したデータはどこかに送信されますか?
A. すべての計算はブラウザ内で完結しており、入力されたデータが外部に送信されることはありません。
Q. 13単位制限とはどういう意味ですか?
A. 疾患別リハビリテーションの算定上限日数を超えた場合、除外対象患者(難病患者・障害児者・回復期リハビリテーション病棟入院料算定患者・高次脳機能障害等)を除き、1か月あたりの算定単位数が13単位までに制限されます。上限日数内であれば、施設基準に応じた最大単位数まで算定可能です。
Q. 複数の疾患区分が重複する場合はどう扱いますか?
A. 例えば脳卒中後に肺炎を合併した場合など、複数の疾患区分が該当することがあります。この場合は疾患ごとに別々に算定日数が管理されます。本ツールでは「患者を追加」ボタンで同一患者に複数の疾患区分を登録することで対応できます。
参考文献・出典
- 厚生労働省:令和8年度 診療報酬改定の概要(リハビリテーション)
- 厚生労働省:基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(告示・通知)
- 厚生労働省:診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(第7部リハビリテーション、H000〜H003各区分の告示本文)
https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/000603758.pdf