PT・OT・ST・機能訓練指導員向け 無料評価・計算ツール集
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FIM評価ツールは、機能的自立度評価法(FIM)の18項目をブラウザ上で採点・集計できる無料ツールです。運動項目13項目・認知項目5項目のスコアを自動集計し、印刷・PDF保存に対応しています。回復期リハビリテーション病棟をはじめ、急性期・維持期など幅広い場面でご利用いただけます。入力データはすべてブラウザ内で処理され、外部に送信されることはありません。
「入院時FIM合計」を入力すると、FIM利得(退院時FIM−入院時FIM)を自動計算します。FIM利得は回復期リハビリテーション病棟における実績指数の算出や、リハビリテーションの効果判定に用いられます。入院時の合計点のみ入力すれば算出できるため、退院時評価の記録としてそのままご活用いただけます。
FIM(Functional Independence Measure)は1983年にアメリカで開発された、ADL(日常生活活動)の自立度を評価するスケールです。セルフケア・排泄コントロール・移乗・移動・コミュニケーション・社会的認知の6領域18項目を、1点(全介助)〜7点(完全自立)の7段階で評価します。合計点は最低18点・最高126点で、点数が高いほど自立度が高いことを示します。
FIMは日本の回復期リハビリテーション病棟において、入退院時の評価や実績指数の算出に広く活用されています。また介護保険領域でのADL評価や、リハビリテーションの効果判定指標としても使用されています。
FIMの採点は「介助者が必要かどうか」を基準に大きく2つに分けられます。介助者が不要な場合は完全自立(7点)または修正自立(6点)、介助者が必要な場合は監視(5点)・最小介助(4点)・中等度介助(3点)・最大介助(2点)・全介助(1点)の5段階で評価します。採点のポイントは「実際に行っている」能力を評価することで、「できる」能力ではありません。
※ 排尿管理・排便管理の採点について:本ツールでは失禁頻度を目安として記載していますが、FIMの排泄コントロールは失禁頻度だけでなく、介助者の関与(器具の準備・後始末・導尿・浣腸の実施等)も含めて総合的に判定します。
FIM採点で最もブレやすいのが、5点(監視・準備)と6点(修正自立)の境界です。FIMの原則は「しているADL」で採点することです。訓練室でできる能力(できるADL)ではなく、日常的に実際にやっている状況を評価します。
判断の軸になるのは、「介助者がその場を離れられるかどうか」です。6点(修正自立)は、時間がかかる・自助具や装具を使う・安全性への配慮が必要、といった条件があっても、介助者が完全にその場を離れて安全に行える状態です。5点(監視・準備)は、スタッフがその場を離れられず、監視・準備・指示・促しのいずれかが必要な状態を指します(体に触れているかどうかは、この判断の一部にすぎません)。
回復期病棟では、この1点が実績指数にも影響します。そのため「甘く付ける」「厳しく付ける」ではなく、患者さんの実際の生活を正確に反映することが何より重要です。
FIM採点の精度を上げるために、現場で意識している柱は3つあります。
1つ目は、多角的観察です。1回の場面だけで判断せず、朝・昼・夕・疲労時など、時間帯や状態が異なる場面を組み合わせて見ることで、実態に近い点数が見えてきます。
2つ目は、「なぜこの点数か」を言語化することです。点数だけを記録するのではなく、「安全配慮のため」「促しが必要」「洗い残しがある」など、根拠を具体的に添えることで、他職種と共有できる情報になります。
3つ目は、点数とリスクを結びつけて考えることです。「この点数で退院したら何が危ないか」——転倒・誤嚥・孤立などを常に想定しておくと、点数の意味が変わってきます。判断に迷うケースでは、短時間の動画記録や、本人・家族への聞き取りも参考になります(ただし聞き取りは過大に語られることもあるため、割り引いて聞く姿勢も必要です)。
同じ5点でも、「安全に自立へ近づいている5点」と「要注意の5点」では、介入の方向性が180度変わります。FIMは、この視点を持って初めて、臨床判断のためのツールになります。
同じ5点という評価でも、そこに至った経緯と方向性を見なければ、意味はまったく異なります。
| 観察点 | Aさん(安全に自立へ近づいている5点) | Bさん(要注意の5点) |
|---|---|---|
| 項目 | 移乗(ベッド⇔車椅子) | 移乗(ベッド⇔車椅子) |
| なぜ5点か | 動作は自立しているが、念のため見守りが必要 | ふらつきがあり、転倒の危険があるため見守りが必要 |
| 直近の変化 | 先週まで4点(最小介助)、徐々に見守りのみで可能に | 先週まで6点(修正自立)、体調悪化で見守りが必要に |
| 病棟での実際の様子 | 看護師が「もう大丈夫そう」と話している | 看護師から「目を離すと危ない」と報告あり |
| 今後の方向性 | 見守りを外して6点への移行を検討 | 移乗方法の見直し・環境調整・転倒リスク管理を優先 |
同じ5点でも、Aさんは自立に向かう途中の5点、Bさんは悪化への警告を示す5点です。点数の推移と病棟での様子を合わせて見なければ、この違いは分かりません。
PT・OTが最も陥りやすいのが、訓練室での評価をそのまま病棟の生活能力と同一視してしまうことです。
リハ室で自立・6点レベルの動作ができていても、病棟に戻るとスタッフ頼み・車椅子移動になっているケースは珍しくありません。1対1で安全確保と声かけがしやすい訓練室と、それらが常に得られるわけではない病棟とでは、条件がまったく違います。患者自身も、訓練場面では「頑張るモード」になりやすいという側面もあります。
これを防ぐには、病棟での朝夕の自然な場面(更衣・トイレ・食事など)を必ず自分の目で確認することが欠かせません。看護師に「実際どうしてますか」と聞く習慣も、大きな手がかりになります。
ここを見落とすと、点数だけが独り歩きしてしまいます。退院後に生活とのギャップが表面化し、家族の負担増や再入院のリスクにもつながります。
特に新人〜中堅のPT・OTの方には、「病棟で一緒に観察する時間」を意図的につくることを勧めたいです。それが一番の近道です。
FIMは「できるADL」を測る検査ではありません。「しているADL」を見るための評価です。
病棟・朝夕・疲労時まで観察して初めて、点数が生活につながります。
※本記事は臨床経験と公開資料をもとに作成しています。評価・運用は最新の通知や所属施設のルールをご確認ください。
Q. FIMとBarthel Index(BI)はどう使い分けますか?
A. FIMは18項目7段階の詳細な評価で、認知機能・コミュニケーションも含むため包括的な自立度把握に優れています。回復期リハビリテーション病棟での使用が多いです。Barthel Indexは10項目でシンプルに評価でき、維持期・在宅・介護施設での使用や介護保険のADL維持等加算の評価に活用されています。
Q. FIM利得・FIM効率とは何ですか?
A. FIM利得は退院時FIMと入院時FIMの差(退院FIM−入院FIM)で、入院中の機能改善量を示します。FIM効率はFIM利得を在院日数で割った値で、単位時間あたりの改善量を表します。回復期リハビリテーション病棟の実績指数算出にも使用されます。
Q. 採点は「できる」能力と「している」能力のどちらですか?
A. FIMは「実際に行っている(している)」能力を評価します。患者が能力的にはできても実際には行っていない場合は、実際の状況に基づいて採点します。これはFIM採点における重要なポイントのひとつです。
Q. 入力したデータはどこかに送信されますか?
A. すべての評価はブラウザ内で完結しており、入力されたデータが外部サーバーに送信されることはありません。患者情報を含む内容も安心してご入力ください。