判定基準を見ながら、迷わず採点
5点か6点かで止まったとき、基準を見ながらその場で採点できます。18項目を入れ終わると運動・認知と利得が出て、入棟時と退棟時の実績指数もその場で確認できます。電卓と用紙を往復する手間を必要としません。
スコアサマリー
このツールについて
点数はコピーで、確認はプレビューで
「👁 プレビュー」は全ての結果を画面に表示します。スクリーンショットを撮って保存したい場合にご利用ください(データはページ内に留まり、外部には送信されません)。
「📋 スコアをコピー」は18項目の点数をテキストとしてコピーします。実施計画書ツールへの貼り付けにも対応。Excelに限らず、メモ帳・Word・メールなど貼り付け可能な場所であればどこでもご利用いただけます。
「入院時FIM運動合計」を入力すると、FIM利得(退院時FIM運動合計−入院時FIM運動合計)を自動計算します。回復期リハビリテーション病棟の実績指数は運動項目の利得をもとに算出されるため、本ツールのFIM利得も運動項目(13項目)のみで計算しています。入院時の運動合計点のみ入力すれば算出できるため、退院時評価の記録としてそのままご活用いただけます。
前回のデータを引き継いで使う方法
1. 今回の入力が終わったら「💾 保存(ファイルに書き出す)」を押してファイルを保存してください。保存すると「山田太郎_20260926.json」のような名前で保存されますが、ファイル名は自由にリネームしていただいて構いません。
2. 保存先は端末によって異なります。パソコンの場合は、患者さんごとにフォルダを作り、そのファイルを入れておいてください。スマホ・タブレットの場合は、多くの場合「ダウンロード」フォルダに自動で入ります。ファイル名に患者さんの名前が入っているので、次回はファイル一覧から名前で探してください(後から「ファイル」アプリでフォルダに移動していただいても構いません)。
3. 次回は、入力を始める前に「📂 前回のデータを読み込む」からそのファイルを選んでください。前回の点数や基本情報がすべて復元されるので、変化があった項目だけ直せば完了です(FIMの経時的な変化を比較・更新するのに便利です)。
保存したデータはお使いの端末のファイルとしてのみ保存され、サーバーに送信されることは一切ありません。
ファイル名には入力した氏名がそのまま使われます。個人情報が気になる場合は、保存後にファイル名をイニシャルや、施設内で使っている管理番号(例:患者001_20260926.json)などに変更していただくことをおすすめします。
FIM(機能的自立度評価法)とは
FIM(Functional Independence Measure)は1983年にアメリカで開発された、ADL(日常生活活動)の自立度を評価するスケールです。セルフケア・排泄コントロール・移乗・移動・コミュニケーション・社会的認知の6領域18項目を、1点(全介助)〜7点(完全自立)の7段階で評価します。合計点は最低18点・最高126点で、点数が高いほど自立度が高いことを示します。
FIMは日本の回復期リハビリテーション病棟において、入退院時の評価や実績指数の算出に広く活用されています。また介護保険領域でのADL評価や、リハビリテーションの効果判定指標としても使用されています。
FIMの7段階評価について
FIMの採点は「介助者が必要かどうか」を基準に大きく2つに分けられます。介助者が不要な場合は完全自立(7点)または修正自立(6点)、介助者が必要な場合は監視(5点)・最小介助(4点)・中等度介助(3点)・最大介助(2点)・全介助(1点)の5段階で評価します。採点のポイントは「実際に行っている」能力を評価することで、「できる」能力ではありません。
※ 排尿管理・排便管理の採点について:本ツールでは失禁頻度を目安として記載していますが、FIMの排泄コントロールは失禁頻度だけでなく、介助者の関与(器具の準備・後始末・導尿・浣腸の実施等)も含めて総合的に判定します。
現場で一番割れるのは、5点と6点の境界線
FIM採点で最もブレやすいのが、5点(監視・準備)と6点(修正自立)の境界です。FIMの原則は「しているADL」で採点することです。訓練室でできる能力(できるADL)ではなく、日常的に実際にやっている状況を評価します。
判断の軸になるのは、「介助者がその場を離れられるかどうか」です。6点(修正自立)は、時間がかかる・自助具や装具を使う・安全性への配慮が必要、といった条件があっても、介助者が完全にその場を離れて安全に行える状態です。5点(監視・準備)は、スタッフがその場を離れられず、監視・準備・指示・促しのいずれかが必要な状態を指します(体に触れているかどうかは、この判断の一部にすぎません)。
回復期病棟では、この1点が実績指数にも影響します。そのため「甘く付ける」「厳しく付ける」ではなく、患者さんの実際の生活を正確に反映することが何より重要です。
点数の裏側を、チームで言語化する
FIM採点の精度を上げるために、現場で意識している柱は3つあります。
1つ目は、多角的観察です。1回の場面だけで判断せず、朝・昼・夕・疲労時など、時間帯や状態が異なる場面を組み合わせて見ることで、実態に近い点数が見えてきます。
2つ目は、「なぜこの点数か」を言語化することです。点数だけを記録するのではなく、「安全配慮のため」「促しが必要」「洗い残しがある」など、根拠を具体的に添えることで、他職種と共有できる情報になります。
3つ目は、点数とリスクを結びつけて考えることです。「この点数で退院したら何が危ないか」——転倒・誤嚥・孤立などを常に想定しておくと、点数の意味が変わってきます。判断に迷うケースでは、短時間の動画記録や、本人・家族への聞き取りも参考になります(ただし聞き取りは過大に語られることもあるため、割り引いて聞く姿勢も必要です)。
同じ5点でも、「安全に自立へ近づいている5点」と「要注意の5点」では、介入の方向性が180度変わります。FIMは、この視点を持って初めて、臨床判断のためのツールになります。
FIM「5点」でも、意味はまったく違う
同じ5点という評価でも、そこに至った経緯と方向性を見なければ、意味はまったく異なります。
| 観察点 | Aさん(安全に自立へ近づいている5点) | Bさん(要注意の5点) |
|---|---|---|
| 項目 | 移乗(ベッド⇔車椅子) | 移乗(ベッド⇔車椅子) |
| なぜ5点か | 動作は自立しているが、念のため見守りが必要 | ふらつきがあり、転倒の危険があるため見守りが必要 |
| 直近の変化 | 先週まで4点(最小介助)、徐々に見守りのみで可能に | 先週まで6点(修正自立)、体調悪化で見守りが必要に |
| 病棟での実際の様子 | 看護師が「もう大丈夫そう」と話している | 看護師から「目を離すと危ない」と報告あり |
| 今後の方向性 | 見守りを外して6点への移行を検討 | 移乗方法の見直し・環境調整・転倒リスク管理を優先 |
同じ5点でも、Aさんは自立に向かう途中の5点、Bさんは悪化への警告を示す5点です。点数の推移と病棟での様子を合わせて見なければ、この違いは分かりません。
最大の盲点は「訓練室の高得点」
PT・OTが最も陥りやすいのが、訓練室での評価をそのまま病棟の生活能力と同一視してしまうことです。
リハ室で自立・6点レベルの動作ができていても、病棟に戻るとスタッフ頼み・車椅子移動になっているケースは珍しくありません。1対1で安全確保と声かけがしやすい訓練室と、それらが常に得られるわけではない病棟とでは、条件がまったく違います。患者自身も、訓練場面では「頑張るモード」になりやすいという側面もあります。
これを防ぐには、病棟での朝夕の自然な場面(更衣・トイレ・食事など)を必ず自分の目で確認することが欠かせません。看護師に「実際どうしてますか」と聞く習慣も、大きな手がかりになります。
ここを見落とすと、点数だけが独り歩きしてしまいます。退院後に生活とのギャップが表面化し、家族の負担増や再入院のリスクにもつながります。
特に新人〜中堅のPT・OTの方には、「病棟で一緒に観察する時間」を意図的につくることを勧めたいです。それが一番の近道です。
一番大事なのは、一番当たり前な原則だった
FIMは「できるADL」を測る検査ではありません。「しているADL」を見るための評価です。
病棟・朝夕・疲労時まで観察して初めて、点数が生活につながります。
※本記事は臨床経験と公開資料をもとに作成しています。評価・運用は最新の通知や所属施設のルールをご確認ください。
よくある質問
Q. FIMとBarthel Index(BI)はどう使い分けますか?
A. FIMは18項目7段階の詳細な評価で、認知機能・コミュニケーションも含むため包括的な自立度把握に優れています。回復期リハビリテーション病棟での使用が多いです。Barthel Indexは10項目でシンプルに評価でき、維持期・在宅・介護施設での使用や介護保険のADL維持等加算の評価に活用されています。
Q. FIM利得・FIM効率とは何ですか?
A. FIM利得は退院時FIMと入院時FIMの差(退院FIM−入院FIM)で、入院中の機能改善量を示します。FIM効率はFIM利得を在院日数で割った値で、単位時間あたりの改善量を表します。回復期リハビリテーション病棟の実績指数の算出には、このうち運動項目の利得のみが使われます(認知項目は含みません)。
Q. 採点は「できる」能力と「している」能力のどちらですか?
A. FIMは「実際に行っている(している)」能力を評価します。患者が能力的にはできても実際には行っていない場合は、実際の状況に基づいて採点します。これはFIM採点における重要なポイントのひとつです。
Q. 入力したデータはどこかに送信されますか?
A. すべての評価はブラウザ内で完結しており、入力されたデータが外部サーバーに送信されることはありません。患者情報を含む内容も安心してご入力ください。
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参考文献・出典
- Guide for the Uniform Data Set for Medical Rehabilitation (Adult FIM), Version 4.0. Buffalo, NY, 1993.
- 全国回復期リハビリテーション病棟連絡協議会(FIMに関する見解・Q&A)
本ツールの結果は参考情報です。実際の評価・判断は、所属施設のルールと専門職の臨床判断に従ってください。
FIMは、UDSMRが権利を持つ評価法です。本ページは入力と集計の補助であり、公式のマニュアル・用紙・認定研修に代わるものではありません。正式な運用は公式資料と施設の契約に従ってください。