基本チェックリスト

PT・OT・ST・機能訓練指導員向け 無料評価・計算ツール集

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リスク判定

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このツールについて

基本チェックリストは、介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)において、高齢者の生活機能低下リスクをスクリーニングするためのツールです。25項目に「はい」「いいえ」で回答し、7つのドメイン(生活機能全般・運動機能・栄養状態・口腔機能・閉じこもり・認知機能・うつ傾向)ごとにリスク判定を自動表示します。BMIは身長・体重を入力すると自動計算されます。入力データはすべてブラウザ内で処理され、外部に送信されることはありません。

基本チェックリストとは

基本チェックリストは、厚生労働省が定めた25項目の質問票で、高齢者の生活機能全般を簡便にスクリーニングするために使用されます。市区町村が実施する介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)において、介護サービスの必要性を判定する際の補助的なツールとして活用されています。

No.1〜20の20項目のうち、10項目以上該当した場合は生活機能全般の低下が疑われます。各ドメインの判定基準に該当した場合は、介護予防サービスや地域支援事業への繋ぎを検討します。

7つのドメインと判定基準

基本チェックリストは以下の7領域でリスクを判定します。

ドメイン 該当項目 リスク判定基準
生活機能全般 1〜20番 10項目以上該当
運動機能 6〜10番 3項目以上該当
栄養状態 11〜12番 2項目該当
口腔機能 13〜15番 2項目以上該当
閉じこもり 16〜17番 16番が「いいえ」
認知機能 18〜20番 1項目以上該当
うつ傾向 21〜25番 2項目以上該当

現場での使い方(臨床の視点から)

理学療法士として25年以上、通所・在宅を含む幅広い現場に携わってきた立場から見ると、基本チェックリストは受け取る側にとっても価値のある情報だと感じています。

地域包括支援センターやケアマネジャーから、あらかじめ整理された基本チェックリストの結果を共有してもらえると、初回の関わりの段階から運動機能・栄養状態・口腔機能・認知機能といったリスク面の傾向をつかんだ上で評価に入ることができます。

どの項目にリスクがあるかが事前にわかっていれば、ADL・生活レベルでの目標設定や、個別のプログラム立案の初期段階から、的を絞った評価・アプローチを組み立てやすくなります。情報が整理された形で早い段階に届くことは、現場の負担を減らすだけでなく、その後の支援の質にもつながっていると考えています。

一番現場が割れるのは、項目ごとの解釈違い

基本チェックリスト(25項目)は全国統一様式ですが、本人の主観に基づく回答を原則としながら、最終的には評価者が確認・判断する仕組みです。このため、地域包括支援センター・ケアマネ・事業所の間で回答にばらつきが出やすくなっています。

自己記入か聞き取りかでも結果は変わります。原則は本人記入ですが、高齢者本人が記入困難な場合は家族や担当者の代筆が認められています。本人記入は控えめ・楽観的な回答になりやすく、聞き取りでは家族の意見が混ざりやすいため、同じ人でも担当者によって結果が変わることがあります。

特に解釈が割れやすいのが以下のような項目です。

  • 「日用品の買物をしていますか」:電話注文のみの場合は「いいえ」か、外出して買う場合とどう区別するか
  • 「預貯金の出し入れをしていますか」:家族に頼んでいる場合と本人が判断している場合の線引き
  • 「階段を手すりや壁をつたわらずに昇っていますか」:時々使う場合と習慣的に使う場合の判断
  • うつ項目(21〜25番):「ここ2週間継続して」感じているかどうかを、どこまで厳密に確認するか

厚労省も「各地域の実情に応じて適宜解釈する」という立場を取っているため、完全な統一は難しいのが実情です。項目ごとの趣旨を事業所間で共有し、聞き取り時は本人の言葉を尊重しつつ確認する、という運用ルールを揃えておくことが、ばらつきを減らす現実的な対策になります。

点数だけでは、本人の状態は分からない

基本チェックリストはスクリーニングツールであり、該当項目数(点数)がそのまま支援内容を決めるわけではありません。

まず意識したいのが、本人の状態は日によって変わるということです。体調不良の日や最近の出来事によって回答が揺れるため、「今日の調子」ではなく「最近1か月程度の平均的な様子」を確認するよう誘導することが大切です。うつ項目(21〜25番)は特に、「ここ2週間継続して」感じているかどうかを厳密に確認する必要があります。

もう一つ重要なのが、点数だけでは拾えない「質」の部分です。運動機能のリスクが高くても、外出への意欲がある方であれば、閉じこもり予防よりも本人の希望に沿ったプログラムを優先した方がよいケースもあります。逆に、口腔機能のリスクがあっても本人に自覚がない場合は、説明や動機づけに時間をかける必要があります。チェックリストの記入だけで終わらせず、聞き取りを組み合わせた一次アセスメントとして活用することが実務上の要点です。

運動機能の項目だけ見ていないか

基本チェックリスト25項目は、「運動機能評価票」ではありません。生活全体を見るための入り口です。

PT・OT・機能訓練指導員は、どうしても運動機能(6〜10項目)に目が向きがちです。しかし、そこだけを改善しても、生活全体が豊かになるとは限りません。

見落としやすいのが、日常生活関連動作(1〜5項目)とのつながりです。階段昇降や立ち上がりの練習ができるようになっても、「一人でバスに乗って友人の家に行く自信がない」という本音を拾えていなければ、実際の生活での孤立は防げません。「できる能力」だけでなく、「実際にやっているか、やりたいか」まで聞くことが必要です。

もう一つの見落としが、閉じこもり・認知・うつ(16〜25項目)といった心理・社会面です。外出意欲の低下や物忘れの指摘、気力の低下を「高齢者にはよくあること」として流してしまいがちですが、うつ傾向や閉じこもりがあると、運動機能向上プログラムを組んでも継続率が落ちてしまいます。

運動器だけ改善しても、閉じこもりや役割喪失が残れば生活は変わりません。身体機能だけでなく、意欲や役割づくりといった視点を組み合わせることが、基本チェックリストを本当に活かす鍵になります。

運動機能リスクは同じでも、優先すべき支援は違う

運動機能の該当項目数だけを見ると同じリスクに見えても、他のドメインの状態によって、優先すべき支援はまったく異なります。

ドメイン Aさん Bさん
運動機能(6〜10番) 3項目該当・リスクあり 3項目該当・リスクあり
日常生活関連動作(1〜5番) 該当なし・買い物や外出は自分で行っている 2項目該当・「バスに乗って出かける自信がない」
閉じこもり(16〜17番) 該当なし 該当・週1回未満の外出
うつ傾向(21〜25番) 該当なし 2項目該当・気力の低下
優先すべき支援 運動機能向上プログラムでよい 運動機能だけでなく、外出のきっかけづくり・心理面のフォローが必要

運動機能の該当項目数が同じでも、Aさんは運動機能向上プログラムがそのまま生活の改善につながりますが、Bさんは閉じこもりや気力の低下も抱えており、運動機能だけ改善しても生活は変わりません。役割づくりや外出のきっかけ作りを組み合わせる必要があります。

点数だけ見て終わるな。生活とつなげろ。

チェックリストの運動機能項目に目が行きがちですが、本当の価値は、1〜5項目(外出・買い物・社会参加)と16〜25項目(閉じこもり・認知・うつ)を、どう生活動作や意欲につなげるかにあります。

筋力やバランスだけ上げても、外出しない・役割がない・気力が落ちていれば意味が薄れます。機能訓練を「生活機能回復」に変える起点として使ってください。

※本記事は臨床経験と公開資料をもとに作成しています。評価・運用は最新の通知や所属施設のルールをご確認ください。

よくある質問

Q. 要介護認定を受けている人には使用しますか?

A. 基本チェックリストは要支援・要介護認定を受けていない65歳以上の高齢者が対象です。すでに要介護認定を受けている方には原則として使用しません。総合事業の対象者確認や介護予防の必要性を判断する際に活用されます。

Q. BMI(項目12)は自動計算されますか?

A. はい、身長と体重を入力するとBMIが自動計算され、18.5未満の場合は項目12が自動的に「該当あり」と判定されます。手動での操作は不要です。

Q. 印刷・記録はできますか?

A. 「印刷 / PDF保存」ボタンからA4縦で印刷できます。氏名・生年月日・実施日・実施者を入力した状態で印刷すると、記録用紙として活用できます。入力データはブラウザを閉じると消去されます。

Q. 入力したデータはどこかに送信されますか?

A. すべての評価はブラウザ内で完結しており、入力されたデータが外部サーバーに送信されることはありません。個人情報を含む内容も安心してご入力ください。

参考文献・出典

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