2026年6月の診療報酬改定で、早期リハビリテーション加算の仕組みが大きく見直されました。最大の変更点は起算日が「発症日等」から「入院した日」に変更されたことです。点数も段階制になり、算定期間も短縮されています。
この記事では、早期リハビリテーション加算の変更点・初期加算との関係・急性期リハビリテーション加算(新設)との違い・転院時の注意点を整理します。
早期リハビリテーション加算の変更点
| 点数(1〜3日目) | 60点/単位(改定前:25点) |
| 点数(4〜14日目) | 25点/単位(改定前:25点) |
| 算定期間 | 入院した日から14日間(改定前:疾患により30日・14日等) |
| 起算日 | 入院した日(改定前:発症・手術・急性増悪の日) |
| 施行日 | 2026年6月1日 |
起算日変更の影響
最も実務に影響するのが起算日の変更です。改定前は「発症・手術・急性増悪の日」が起算日でしたが、改定後は「入院した日」に変わります。
🚨 転院患者の起算日に注意
他院から転院してきた患者の場合、起算日は転院前の医療機関に入院した日です。転院してきた日ではありません。転院前に既に10日入院していれば、転院後は残り4日しか算定できません。診療情報提供書に記載されている入院日を必ず確認してください。
💡 外来から急性増悪で入院した場合
外来でリハビリを行っていた患者が急性増悪等で入院した場合、その入院日を新たな起算日として算定できます。
算定期間のタイムライン
早期リハビリテーション加算 算定タイムライン(入院日を1日目とする)
1〜3日目
60点/単位 入院直後の集中的介入を最大評価
4〜14日目
25点/単位 算定継続可能
15日目以降
早期リハビリテーション加算は算定不可
⚠️ 経過措置(6月1日時点で入院中の患者)
2026年6月1日時点で既に早期リハ加算を算定中の患者は、起算日を変更しません。6月1日時点で入院15日目以降の患者は、6月1日以降の算定は不可となります。【具体例】5月15日入院の患者は、6月1日時点で18日目→6月1日以降は早期リハビリテーション加算の算定不可。
初期加算との関係・併算定
早期リハビリテーション加算と初期加算は別系統の加算で、起算日も異なります。両方の要件を満たせば併算定が可能です。
| 早期リハビリテーション加算 | 初期加算 | |
|---|---|---|
| 点数 | 60点(1〜3日)/25点(4〜14日) | 45点/単位 |
| 起算日 | 入院した日 | 発症・手術・急性増悪の日 |
| 算定期間 | 入院から14日間 | 起算日から14日間 |
| 併算定 | ✅ 可能 | |
📊 入院1〜3日目の最大上乗せ点数(1単位あたり)
| 早期リハビリテーション加算(1〜3日目) | 60点 |
| 初期加算(施設基準届出・要件あり) | 45点 |
| 急性期リハビリテーション加算(施設基準届出・患者要件あり) | 50点 |
| 休日リハビリテーション加算(土日祝の場合・届出あり) | 25点 |
| 最大合計 | 180点/単位 |
※ 急性期リハ加算の届出がない施設では、早期リハ加算+初期加算の最大105点/単位が上限です。
急性期リハビリテーション加算(新設)との違い
今改定で急性期リハビリテーション加算(50点/単位)が新設されました。早期リハビリテーション加算と混同されやすいので整理します。
| 早期リハビリテーション加算 | 急性期リハビリテーション加算 | |
|---|---|---|
| 点数 | 60点(1〜3日)/25点(4〜14日) | 50点/単位 |
| 起算日 | 入院した日 | 発症・手術・急性増悪の日 |
| 算定期間 | 入院から14日間 | 起算日から14日間 |
| 対象患者 | 幅広い入院患者 | BI 10点以下等の重症患者(入院中) |
| 施設基準届出 | 不要(疾患別リハ料の届出があれば可) | 必要 |
💡 急性期リハ加算の対象患者
病棟種別ではなく患者の状態で判断します。以下のいずれかに該当する患者が対象です:
- BI 10点以下(相当程度以上の日常生活能力の低下)
- 認知症自立度ランクM以上
- 動脈ライン・シリンジポンプ・中心静脈ライン・人工呼吸器管理・CHDF・ECMO等の特殊処置を実施中
- 特定感染症患者
疾患が変わった場合の起算日の扱い(疑義解釈その6)
2026年5月21日発出の疑義解釈その6で、起算日の取り扱いが追加で明示されました。
| ケース | 早期リハ加算の起算日 |
|---|---|
| 同一医療機関に継続入院中に別疾患が発症・急性増悪 | 起算日は変更しない。最初の入院日から14日間のルールが維持される |
| 新たな疾患等のために他院へ転院した場合 | 転院日を新たな起算日とできる |
| 一度退院し再入院した場合 | 再入院日を新たな起算日とできる |
| 外来リハビリ中に急性増悪で入院した場合 | 入院日が起算日(要件を満たせば算定可) |
💡 実務上のポイント
脳梗塞の再発など標準的算定日数がリセットされるようなケースでも、同一医療機関に継続入院中であれば「入院から14日間」という早期リハ加算の原則が優先されます。起算日が変わるのは転院・再入院が発生した場合のみです。
ベッドサイドリハ減算との関係
今改定で導入されたベッドサイドリハ減算(離床を伴わない他動的訓練に10%減算)には除外規定があります。
💡 早期リハ加算算定中は減算の除外対象
早期リハビリテーション加算を算定している患者は、ベッドサイドリハ減算の除外対象となります。入院初期のベッド上での他動的訓練も減算されません。
まとめ:実務上の確認ポイント
- 起算日は「入院した日」——発症日・手術日ではない
- 転院患者は転院前の入院日が起算日——診療情報提供書の入院日を確認
- 同一医療機関継続入院中に別疾患が発症しても起算日は変わらない
- 転院・再入院の場合は転院日・再入院日が新たな起算日(疑義解釈その6)
- 算定期間は14日間——15日目以降は算定不可
- 初期加算(45点)との併算定可——入院1〜3日目は最大105点/単位
- 急性期リハ加算(50点)は重症患者限定・14日間・施設基準届出が必要
- 早期リハ加算算定中はベッドサイドリハ減算の除外対象
- 6月1日時点で15日目以降の患者は6月1日以降算定不可(経過措置)